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このまま今の会社にいてよいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法/北野唯我

 

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

 

会社勤めをする身だと、誰しもが「こんな会社辞めてやる」と思うことがあっても、「果たして自分は社外で通用するのか」と、その一歩を踏み出せる人は限られる。

ただ、その一歩を踏み出すことを選択肢として考えられるとしたら、結果的に社内にとどまることになったとしても、自身の働き方の可能性は広がるのではないか、

そんな問題意識を持ちながら、手に取りました。

 

我々を取り巻く環境

現代は二人に一人が転職をする時代だとのことです。

高齢化社会では、新卒で入社した会社で定年まで働き、退職後は年金で生活するという生涯設計はもはや継続不可能、というのは自明のこととなってきています。

現代社会は流動化著しい。ただ、社会の変動に対して制度の整備は後手後手。

いざという時には国は何もしてくれない。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」でも似たような議論があったが、本書で身を守る手段として転職の選択肢にフォーカスして述べている(と思います)。

 

 

転職に踏み出せない理由

なぜ転職に恐怖を感じるのか。それは自分の意思で何かを手放すことを決断することになるため。

これは確かにそうだなと納得。

大学受験も就職も、「周りがやっているから流されて」という側面が少なからずあった。最終的なゴールは自分で決めるとしても、流れ自体はゼロから自分で作るものではなかったように感じます。

ただ、転職は自分で決める。

これが新卒就職までとの決定的な違いだと思います。

 

転職に対する展望

なんだかんだで終身雇用・年功序列が是の現代社会では、転職はリスキーな選択肢として見られがち。

ただ、筆者はこう述べています。

転職が当たり前になれば、選択肢を手に入れた個人はより自由になり、社員を惹きつけようとする「会社」 は、より魅力的になる

自由な転職はこの国を変える特効薬になる

これは重要な視点だと思う。

転職は決して悪ではない。去られる会社としても、今後どのように会社を運営していくべきかを考える指標になります。

これを「最近の若者はすぐに離職する」という評価で片付けて、自社の問題から目を背けるのは、自社の魅力を低減させていく愚行に他ならないと思います。

 

ストーリーはご都合主義

転職に対する筆者の考えを述べることがメインとなっているが、それを理解しやすくするために、コンサル黒岩と転職を考える会社員・青野の対話により物語が進行します。

まぁこの手の本にありがちですが、ご都合主義的ですよね。進研ゼミの漫画を思い出した

本筋ではないので、まぁ理解を助けるためのものと割り切って読むのがよいかと。

また、転職の会社選びの基準(マーケットバリュー・働きやすさ・活躍の可能性)などテクニックについてもいくつか述べられていますが、これは興味のある方が本書を読んで確認して見てください。

自分の中ではさほど新しいテクニックはないように感じましたが。

 

転職を考える人だけでなく、今の仕事に閉塞感を感じている人にとって、働き方を再考する上で、転職というカードを持ち、会社に対して交渉力が生まれることで、世界が変わるかもしれないです。

そういう意味で、転職組以外にも開かれた本だと思います。