最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)
- 作者: 鈴木祐
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2018/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
メンタリストのDaigo氏お勧めということで購入しました。
昔読んだ彼の著書『自分を操る超集中力』が、簡単に読める割に、様々な分野の専門的知識を含んだ良書だったため、彼が勧めるということは、その手の本なのだろうと期待。
最近、少し体調が不調なので、これを機に快方に向かえば良いなぁ。
現代特有の症状:文明病
文明病とは本書では以下のように定義されます。
近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状
例を挙げれば、肥満や心のトラブルです。実は文明病に見られる現象は旧石器時代など古代には存在し得なかったもの。
例えば、カロリーの過剰摂取というのは、食うのに困っていた古代にはなく現代特有のものだし、心のトラブルは、人間の身体的な進化と現代社会の体制のミスマッチが引き起こすものであるとのこと。
体調管理には、進化医学をベースにした大使が効果的とうたわれており、その手法として、パレオダイエット(旧石器時代の食事法)が推奨されています。
加工食品をやめ、穀物を削減、野菜魚を増やして食物繊維を取っていくなど。具体的な内容は本書に譲ります。
なぜ文明病は出現したのか?
現代病の出現は、端的に言えば「遺伝的特徴と環境のミスマッチ」が原因といいます。
本書では、これを「炎症」と「不安」に分類して分析しています。
炎症
免疫システムにより異常を取り除くシステムのことだが、本来的には怪我の修復など短期的に効果が表れるもの。ただ、現代では長期的にじわじわと進行します。
長期化する肥満による体脂肪の燃焼が例の一つ。内臓脂肪を燃やすことも炎症反応だが、これが長期にわたって機能することは、本来異常を短期に直す炎症の特性からズレることとなるため、身体に負担がかかります。
そのため、現代人は異常を引きずる傾向にあります。
不安
古代の不安は、「食べ物どうしよう」など、「いまここ」のはっきりした対処が容易な不安だったの対し、現在の不安は、ぼんやりした、対処が困難な将来へのぼんやりした不安という特徴があります。
現在の不安は、その対象の「未来の遠さ」に大きな問題があるとのこと。
現代病の解決法は?
ではどのように解決していけば良いか?
本書では以下のとおり挙げています。
炎症
自然とのふれあいが肝要。
これは副交感神経を活性化し、感情システムを刺激するため。
具体的には、日中によく太陽の光を浴びることが効果的。
不安
未来を自分に近づける。
そのためには、「自分がありたい姿」と「今の自分」のズレを認識し、そのズレを埋まるためにはどうしていけば良いのかもビジョンを明確化していくことが重要。
これにより、漠然とした将来との距離が縮まる。
本書では、実際に自分の価値観を測るテストも付いており、自分もやって見たが、このズレが顕著であることが示されてしまいました。特にプライベートにおけるなりたい自分に対する貢献が低い。
自分の体調不良は、これに起因した不安からきているのかなぁと感じる結果となりました。
幸い、課題は明らかとなっているので、これを機にギャップを埋めるために何ができるか、これに腐心したいと思います。
最後に意識すべきこと
幸福な生活を送るにあたって、最も重要な心持ち、それは「抜苦与楽」、つまり他者へ貢献すること。
人間は貢献によって幸福を感じる生物であり、これが親密な人間関係を築く鍵ともなります。
なかなか面白い本でした。
こうした本はどうも説教くさいか専門用語で煙に巻かれることが多いのですが、本書はかなり噛み砕かれていると思います。
特に自分の今の生き方が「将来のなりたい自分という価値観に目を背けている」と痛感できたことは、これからの一歩を踏み出すにあたって、糧になったかと思います。