Tommyの乱読のススメ

ノンジャンル読書と雑記の混沌としたブログです。

正義とは何か 現代政治哲学の6つの視点/神島裕子

 

1日空きましたが、今日は無事に更新することができました、良かった良かった。

ただ、残念ながらあまりちゃんと読めていません。内容が私には難解過ぎました。

ただ、「分からなかった」ということも立派な読書記録だと思うので、恥じずに書いていきます。

 

リベラリズム

対等な市民としての暮らしを営むために、社会の諸制度が基本適所自由の平等・

できる限りの社会的・経済的平等を満たしているときに社会は正しいとする思想。

簡単に言えば、個人の自由・権利と社会全体の福祉に増大を両立させる思想のことを言います。

 

リバタリアニズム

完全自由主義のことで、社会や国家が個人の生活に干渉することを厭う思想。

対象を支配する権利である所有権を重要原理に位置付け、例えば徴税はそれを侵す行為として否定、経済活動においても政府介入を拒むレッセ・フェール(自由放任)主義を掲げる。

リベラリズムでは、ケイパビリティ(生活の選択範囲)を平等に保つため、富の再分配を肯定しますが、リバタリアニズムではこれは財産の没収に当たると見なします。この点が大きな違いと言えるでしょう。

 

コミュニタリアニズム

人々の生活に固有の道徳性を与えるとされる共同体の物語(伝統)に則した政治よって善い生をなすべきとの考え方に基づく思想。

リベラリズムやリバタリアニズムが不定の個人を優先しますが、コミュニタリアニズムでは、コンテクストの中で位置付けられた個人を想定しているという意味で捉えました。要は多様な個人を肯定するということかな。

ただ、リベラリズムのような福祉政策については、肯定する立ち位置を示しています。

 

フェミニズム

女性「他者」に位置付けられた目的を達成するための手段とみなされていました。

「カント的フェミニズム」を走りに、性差・ジェンダーに関わりなく個人が自分自身を目的として生きていくことができる社会を目指すべく、ケイパビリティ(生の選択肢)を獲得していく運動が巻き起こり、今日の女性の権利取得に繋がっています。

 

コスモポリタリズム

世界の人々は皆、人間であるという理由で人権を有しているという前提から、グローバルな不平等・貧困を含め、世界を自分の領域として考える思想のことです。

彼らのグローバル問題への関わり方は様々ですが、問題の解決法として、寄付、世界税の導入、ヘルスケアワーカーの移動規制(教育を受けた労働者の流出規制)、多国籍企業への社会的責任の要求(人権的観点での奉仕)を上げています。

 

ナショナリズム

主権と独自の政治文化を持つ「人民」を主体に考えたロールズに対し、後世ではリベラル・ナショナリズムが唱えられました。

リベラル・ナショナリズムは、ネーション(共感によって結ばれた文化的集団)に特別の価値を認め、ナショナリティを中心に添えて、社会正義と民主主義を成立させる思想です。

、、、はっきり言って、この章は言いたいことがさっぱり分かりませんでした。

今後、誰かがレビューしてくれると思いますので、それに期待。

 

リバタリアニズムが行き過ぎると企業暴走や過度な個人主義化などを招きかねないというのはなんとなく想像がつきます。

だからと言ってコスモポリタリズムかと言えば、本文中の例にあったように、「自分の懐の限界ギリギリまで寄付するんだ!」という極端な思想にもなりかねない。

結局のところ、どの思想も結局は枠組みであって、考え方の指針は示してくれるが、それを妄信するのはいただけない。重要なのは判断する主体の「賢慮」なのかなと感じました。身もふたもないかな、、、。

 

とまぁなれない本は読むべきではないということをまざまざと教えてくれました。

読みにくかった箇所としては、

 ①引用が多く、原書の難解な文章をあまり解説してくれない

 ②具体例に乏しく、言っていることのイメージがつきにくい

この2点でしょうか。

新書としては情報量がものすごいので、勉強される学生の方などは持っておくと何かと便利なのではないでしょうか?

片手間に読む私のような素人にはちょっときつかったです。

ただ、自分の知らないことというにがよく分かったので、このジャンルの本ももう少しレベルを下げて再挑戦してもよいかなと思いました。