こんばんは、本日は御殿場までドライブしてまいりました。
長時間のドライブに加え、三連休初日ということで渋滞あり、突然の豪雨ありでお腹いっぱい、ヘロヘロになりながら、レビューを書いています。
本日はこの本。未来の姿をデータから導こうとしようとする意欲作です。
ただ、疲れているので内容が心配です。
未来 の「人」
人口問題
世界人口は2030年に85億人、2050年には105億人に達するといいます。
その構成は地域によって歪ですが、都市部で人口過密が進む見通しです。
移民は地域による人口不均衡の是正には効果的な方法ですが反対感情は根強い。
労働環境
富裕層と貧困層が増加し、中間層が縮小します。現中間層が担っている仕事はAIに置換される可能性があり、ギグエコノミーが伸長します(労働力のフリーランス化が進む)。
高齢者
高齢化によって定年制などの制約が薄れ、高齢者が知恵と経験を発揮しやすい社会となります。ただ、そうした恩恵にあずかれる平均寿命の長い高齢者は概して収入が高く、貧富の差を再生産するだけではないかとの懸念があります。
また、高齢者の台頭によって、若年層の雇用が減少する影響も深刻です。
未来 の「場所」
都市問題
2007年に世界の都市人口が全人口の半分を超えて以来、都市の過密化が進んでいます。
その原因は複雑ですが、現在のインフラ対応ではそのペースをカバーできません。
今後はIOTを含めたインフラの効率運用およびイノベーションが不可避となります。
インフラの整備は経済成長に必要不可欠な要素である以上、官民での協業が必要となります。
ここで、私の好きなジェーン・ジェイコブズの『アメリカ大都市の死と生』から一節。
都市にはあらゆる人に何かを提供する能力がある。それが可能なのは、都市があらゆる人によってつくられるからであり、またその時にこそ、その都市の能力は発揮される。
環境問題
都市部では大気汚染が深刻化していますが、今後は水害なども悪化の一途をたどります。
これに対するには都市デザインへの新しいアプローチとしてスマートシティ(IT技術などを駆使した環境配慮型都市)の構築が必要ですが、それには住む市民の積極的な関与も、あた必要になります。
また、近年プラスチックゴミなどを海に投棄することによる海洋汚染が問題となっていますが、これには技術的な解決というよりも、個々人の倫理観が大事になってきます。
未来の「国家」
欧米の勢いが鈍る中、アジアが台頭していきます。
ただし、まだ軍事・文化・通貨の点でまだアメリカの覇権を脅かすには至らず。
本当にアジアの世紀となるのは22世紀になると思われますが、ここにきて中国の台頭が著しく、アジアの覇権は今世紀中になる可能性もあります。
足元、全体主義的な民主主義の権威が低下している一方、地域単位での統治形態への信頼が厚くなっています。
こうした統治はグーグルやアップルが提供するようなプラットフォームでの市民同士の繋がりが原動力となっています。
ただし、繋がる社会はプライバシーの問題と切り離せません。政府の信頼が低下する中ではありますが、その問題の解決には国際基準での法規制を整える必要があります。
未来の「企業」
資本主義への疑義が格差という形で顕在化しつつあり、また、持続可能な活動を超えて営利を追求してきた企業は今後何をすべきでしょうか?
企業活動において、自然への影響というもには軽視されてきたため、今後「自然資本」を重視し、自然への負の影響も会計項目に落ち仕込むような仕組みを講じる必要があります。
また、近年ビジネスにおいては効率化や自動化が進んでいますが、そこには「感情」が抜け落ちてしまってはいないだろうか?生身の体験は安心や親密感を与えるため、そうしたサービスを提供することも企業活動の形となります。
短期的な利益を生む行動は長期的に良い結果を生むとは限らず、「自分達さえ良ければいい」という行動は、他人の貧困などの生み出してしまっています。
社会問題は複雑であり、即時の解決が見込めるものではないですが、その解決には企業間(のみならずあらゆる主体)の参加による社会ネットワークの構築が必要になります。
感想
本書の論点は多岐にわたり、私のレビューでは触れていないポイントはいくつかあります(資源・エネルギー問題など)。また、テーマの切り方も私のそれとは大きく異なります。興味のある方は手にとってみてください。
こうした未来予測の本はどうしても悲観的な見方になりますよね。批判ありきで楽観的な見通しを論じてくれる論者はいないものか…と思ってしまいます。
さて、本書の議論ですが、さほど斬新な着眼点はなく既に当ブログで挙げているような議論中心です。とりあえず、プライバシーの議論の記事をあげておきます。
よく言えば「色々とカバーされている」、悪く言えば、「優等生的にまとめすぎた」という印象を受けました。
なお、本書の主眼は、「何が起こりうるか」を予測することで、「どう解決するか」ではないことに注意する必要があります。
あくまでデータブックということをお忘れなく。
やはり読者としては分かり易い結論を期待したいもの。
希望を求めて本書を読むと、読み終えた時に絶望(ディストピア)叩き落とされます。
感想が甘いですが、死ぬほど眠いので今日はこの辺で〜。