こんばんは〜。
今日は嫁の地域活動の宣材づくり、子どもの散歩をして、ダラダラしていたところ、
「体育の日っぽいこと何もやってない!」
と気づいて、夕方ランニングに行きアリバイづくりをしました。
充実したスポーツの秋でした。
さて、本日はこの本。
Chief Happiness Officer(CHO)という概念が最近ちょくちょく目に付きますが、本書は幸福について論じた上で、CHOの設置を強く提唱します。
ということで、レビューどうぞ。
幸福度とは
これまで、幸福度は経営指標に組み込まれてきませんでしたが、近年、幸福度は組織の生産性にも好影響を及ぼすことが明らかとなっています。
会社組織の目標(以下、Purpose)と働く個人のPurposeが一致していると社員は活き活き幸せに働け、社員が幸せだと会社の業績は上がります。
幸福の起点となるPurposeは価値観と社会的意義を含むもので、個人のPurposeと組織のPurpose双方の重なりが多いほど、幸福度と生産性に好影響を与えます。
幸福度が高い人ほど生産性が高く創造力に富むイノベーション人材と言え、加えて組織に貢献する行動(組織市民行動)を取ります。
幸福度がこれまでの指標と異なる点
労働生産性は付加価値/労働量で測られます。
労働生産性をあげるために、分子である労働量の削減(長時間労働の削減)に目が向きがちですが、分子をあげるアプローチも必要。
そのために、幸福度を上げ、イノベーションを生み出しやすくすることで付加価値を高めることが求められます。
この幸福度は従業員満足度とは違う概念であることは理解しておく必要があります。
従業員満足度は福利厚生など組織の一部に対するもので、この満足度は一過性のものですぐに不満に転化する性質があります。
(なお、成功とインセンティブによって生まれる幸せも一過性)
そうではなく、人間関係からもたらされる持続性のある幸福感が重要となります。
これまでは「努力→成功→幸せ」というフローが定説だったが、今後は「幸せ→努力→成功」と、活動の究極基盤に幸福をおくことが肝要。
仕事における幸せを形作る要素
Purpose(存在意義)
Authenticity(自分らしさ)
Relationship(関係性)
Wellness(心身の健康)
幸福は会社の経営に良い効果をもたらすが、それは画一的な施策ではなりません。
多様化する価値観やニーズに応えるべく、一人ひとりに応じた対応が求められる。
従業員の幸福を推し進めるために、Chief Happiness Officer(CHO)の役職を設けることが良く、その役職は組織風土を構築するために経営職が望ましいとしています。
感想
幸福度という概念を会社経営に持ち込もうという発想です。
確かに従業員も幸せで、会社も業績が上がって幸せで、win-winと言えますね。
ただ、本書の内容では説明が不十分でどうしても絵に描いた餅に感じてしまうのが残念。
実例もデータもないため、穿って見てしまうのは私が捻くれ者だからかもしれません。
ただ、これからの取り組み次第ですね。
ベンチャー企業なんかは、従業員と会社のPurposeが自然と近いものなので、働いている人の充実感は高いのでは?と思います。
そうでない企業では、こういった取り組みによって幸福度を上げていくという施策も必要になるのでしょう。
忘れてはいけないのは、経営層は幸福度を上げることを生産性向上の単なる手段にしないこと。
そうではなく、従業員の幸福度を上げて、組織力を高め、「結果的に」生産性が向上するという仕組みであるべきでしょう。
あくまで人が資本であるという考えが根底にあるはずですので。
あと、従業員は、会社任せでなく、自分でPurposeを見出す努力をしないといけませんね。
本日はここまで。ではまた明日〜。