Tommyの乱読のススメ

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仕事に役立つ経営学/日本経済新聞社

 

仕事に役立つ経営学 (日経文庫)

仕事に役立つ経営学 (日経文庫)

 

 

こんばんは。

5年使っているiPhone(5Sです)のバッテリーが末期です。

表示が76%から一瞬で1%になります。

携帯ショップに持っていったところ、「この機種使っている人まだいたんですね」と言われました。

ただ、気に入ってるので、まだまだ使いたいのですが。

 

さて、本日は経営の勉強をしたくなったので、入門書を。

 

ターゲッティング・戦略

事業立地論

まず経営戦略に先立ち、「誰に何を売るのか?」を定める必要があります。

マイケル・ポーターは市場圧力を

①ライバル企業、②川上の取引相手(部品メーカー)、③川下の取引相手(小売)、④代替品メーカー、⑤新規参入企業に分類、

これらの圧力が弱いところが高収入を生む好立地であると説きました(事業立地論)。

本論で興味深いのは、市場規模に焦点を当てていないところで、事実、小型の成熟企業に高収入事業が多い傾向にあります。

収入増大に向けては、事業立地を少しずらす、顧客を変えるといった「位置取りを変える」戦略が有効で、M&Aが戦略の全てではないことを物語っています。

戦略

戦略の目的長期利益であること、戦略の主体は企業でなく事業であること、戦略は立地選択の後の話であることがまず前提です。

競争戦略として、ポジショニング(活動の選択、資源の投入)、ケイパビリティ(模倣困難性)などの要素を考える必要もありますが、

まずもって重要なのは、ビジネスモデルが合理的な戦略ストーリーの上に成り立っていることになります。

ブレークスルーには、ストーリーとしては合理的ですが、業界の常識から考えると非合理に見える部分にテコ入れする戦略イノベーションを実現することにあります。

ただし、これにはセンスが問われます。

また、日本企業の利益率や資本生産性は低い傾向にありますが、これはローリスク経営によるものです。

従来、安定が評価されてきましたが、これからの時代、低位安定が今までのように評価されてくるか、経営者は考える必要があります。

 

多様性

不確実性が高まり、イノベーションが求められる現代のビジネス環境では、企業には多様性が求められます。

多様性の効能として、まず集合知が挙げられます。俗にいう、「みんな意見は案外正しい」というもので、不確実性に直面したとき、多様なメンバーで協議することにより多面的に議論をすることができ、死角の少ない結論を出せる傾向にあります。

また、アウトプットにも好影響があります。

一般に多様性が高まると協業で生まれる価値は高くなる傾向にあります。また、イノベーションも起きやすくなります。

イノベーションというと技術的な側面がクローズアップされがちですが、技術は手段に過ぎず、社会変革をもたらすイノベーションのためには文理協業が必須となります。

しかしながら、多様性は画一的な価値観下では維持が困難であり、組織構築を工夫する必要があります。

お互いの価値感を共有しあい、関わり合いを高めることで公共的・自律的行動を促す仕組みづくりを講じる必要があります。

 

リーダーのあり方

日本にはリーダーシップが欠如していると憂う声が出て久しいですが、これからの不確実な時代には、自ら考えて行動するリーダーが必要となります。

組織を望ましい形に変えることが役割となりますが、そのためにはコミュニケーションや余裕を生み出し、職場の幸福感を高めることで創造力を高めることが必要になります。

なお、リーダーを育むためには、経験7割、薫陶2割、研修1割と言われています。

そのためにはリーダー経験を早期に積ませることと、リーダーがリーダーを生む土壌づくりを整える必要があります。

 

感想

良くも悪くも入門書でした。

ただ、ブックガイド付きでしたので、興味ある分野の本を手にとって読書を発展させていくと良いと思います。

個人的には「事業立地戦略」と「戦略イノベーション」の章が興味深いです。この章の関連図書を図書館で見つけて読もうと思います。

読んでいて思うのは、経営戦略ってセンスだなぁということですね。経営には独自のスキルとセンスが問われると思います。

有能な会社員が出世して経営者になっても、求められるスキルが違うので、有能な経営者になるとは限らない。

両者の断絶を埋める手立てを講じるか、全く別の論理を持ち込むか、日本的経営が行き詰まっているのであれば、経営のあり方を考える必要があるのかもしれませんね。

なお、本書には他に企業会計の話や企業倫理の話もありました。

前者は専門書を読んで別途まとめることとしたいと思います。

後者は企業倫理の類型が興味深かったのでここで紹介。

コンプライアンス型

  「〜してはいけない」とする押し付け型で文書管理等手間がかかる
価値共有型

  基準を定めてそれに沿うことを求める原理重視、シンプル

本書でどちらが推奨されているかは言うまでもありません。

必要性を疑うものではありませんが、仕事が仕事を作る仕組みはできればやめて頂きたい…というのが会社員の本音でしょう。

 

ということで本日はここまでです。

お読みいただきありがとうございました。

また明日〜。