絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)
- 作者: 更科功
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/01/08
- メディア: 新書
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こんばんは〜。
ブログ始めて1ヶ月経ちました。
多くの方に訪問いただき有難うございます。
多読と言いつつも偏りがある本ブログですが、なるべく色々手を出していきます。
ということで、本日の本は久々の自然科学!
いや、理科嫌いじゃないんですよ。
生物とか地学は好きでした。じゃあ何で理系じゃなかったのかって?
数学ががが…。
ともかく続きからどうぞ。
まとめると…
- 人類の祖先は弱かったため、安全な森林から危険な草原に追いやられた。
- 一見生存に不向きな進化を遂げたが、多産により生存競争を勝ち残った。
- 脳の発達は肉食生活から。これが高度な文化・社会的行動につながった。
欠陥だらけの進化
私たちは今、直立二足歩行をしていますが、祖先は四足歩行をしていました。
元々森林に住んでいた祖先たちですが、森林の減少に伴い、安全な森から追い出されて草原で生活するようになった彼らはこの進化を遂げました。
両者を比較すると、直立二足歩行には、太陽に当たる面積を減らし、地表熱から遠ざかるというメリットと、遠きを見渡せるというメリットがあります。
一方、四足歩行に比べて走るのが遅く、腰に負担がかかるという生存には不向きな側面もあります。
(なお、遠くを見渡せるというのは、外敵から見つかりやすいという難点も)
では何故直立二足歩行へ進化したのか?
それは、手を自由にし、食料を運び、子どもを育てやすくするためと考えられています。
草原には肉食獣が生息しており、祖先たちは身を守るために群れを作っていました。
この群れは外敵対策だけでなく、協力関係も伴っており、共同で子育てを行なっていたとされています。この点は他の霊長類とは大きく異なる点です。
また、お産の間隔が他の霊長類よりも短いという特長もあります。
このように、祖先たちは「外敵に食べられても産めばいい」という子孫を多く残す戦略を取ることで生存競争を生き延びたと考えられます。
脳の成長と社会生活
元々は草食であった祖先たちですが、やがて肉を食べるようになります。
ただ、初期は狩りではなく、屍肉を漁っていたようです。
肉は従来の食事に比べ、カロリーが高い上に消化が早い特性があります。そのため、余剰のエネルギーを脳に回すことができ、脳が大きくなりました。
肉を効率よく食べるために石器を使いましたが、この行動も更に脳を大きくすることに繋がりました。
なお、肉食にあたっても直立二足歩行の特長が活かせます。
食料を探すために長距離を歩く必要が出ましたが、体力消費の少ない直立二足歩行はその点で有利でした。
また、火の使用により、肉を焼くことができるようになり、更に消化しやすくなりました。
こうして、食事や消化に時間をかけることが少なくなった祖先たちは暇になりコミュニケーションを高めることになりました。
これが文化的行動・社会的行動につながっていきます。
ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』の理論ですね。
なぜホモ・サピエンスだけが生き残ったのか?
ホモ・サピエンスの前にはネアンデルタール人がおり、彼らは道具を使った狩りや高い環境順応性がありました。また、ホモ・サピエンスに比べて頑強な身体を持っていました。
では何故ホモ・サピエンスに取って代わられてしまったのか?
それは社会基盤と活動範囲の広さ、そして繁殖力が挙げられます。
まず社会基盤についてですが、ホモ・サピエンスネアンデルタール人に比べて複雑な言語体系を有しており、抽象的な表現もすることができたため、コミュニケーションの面で優位であったと考えられます。
そのため、技術的なアドバンテージもあり、例えば、ネアンデルタール人が投げ槍を使って狩りをしていたのに対し、ホモ・サピエンスは投槍器を使い、より効率的に食料を手に入れていました。
また、ネアンデルタール人の頑強さは燃費の悪さとも言い表わせるため、活動範囲がホモ・サピエンスに比べて自ずと狭くなりました。
そして決定的なのはホモ・サピエンスは子孫を多く残せたという特長です。
このような点から、身体能力では優っていたネアンデルタール人ホモ・サピエンスに押されて絶滅の一途を辿るのでした。
感想
こういった自然科学の内容は知らないことばかりで、読んだ内容全てが新鮮です。
面白いのは、森林から追い出されたはずの弱者である祖先たちが、今や最大勢力になったということです。
産むことに特化して生き残ったというのは、今でこそ知的生命体と言われる人類とは思えない戦略ですね。
やはり特化するものがあってこそ活躍できるということでしょうか。
サマルトリアの王子がイマイチ活躍できないは、特化するものがないからですね。
(全く説得力のない例ですね)
このブログは横断的な知識をつけることに特化してお送りしたいと思います。
そのためには自然科学の知識をもっとつけないとなぁ。
本日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。
ではまた明日〜。