Tommyの乱読のススメ

ノンジャンル読書と雑記の混沌としたブログです。

【今回は落としていないのに】スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼/志駕 晃

こんばんは~。

 

本日は話題に乗っかり、久々のミステリー。

以前レビューした『スマホを落としただけなのに』の続編をレビューします。

 

 

なお、今回のレビューは個人の感想を多分に含んでおり、人を選ぶと思います。

そのため、ご懸念される方は『続きに進まない』方が良いと思います。

 

また、前回の記事で筆者の名前を誤って表記しておりました(現在修正済み)。

申し訳ございませんでした。

 

 

まとめると…

  • スマホを落としてすらいないのに事件に巻き込まれる不幸な人々
  • 人格崩壊気味の登場人物たちが織りなす珍道中
  • モチーフは多分あの作品

 

 

あらすじ

神奈川県警生活安全サイバー犯罪対策課の桐野良一はあるPCから、死体で見つかった女の情報を探っていた。そのPCは、「丹沢山中連続殺人事件」の犯人のものだった。秘密を探るうち、犯人は桐野にある取引を持ちかけ――。その頃、巨額の仮想通貨流出事件が発生。セキュリティ会社で働く美乃里のもとに、ハッカーらしき男からコンタクトがあり……。情報化社会の恐怖を描くサイバー・サスペンス!

スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼│宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル

 

謎(トリック、伏線、独自性)

正直、ミステリーなのかと悩みました。サスペンスと捉えるべき作品でしょう。

サイバー世界での攻防がメインのため、謎はほぼなし。

これは「読む価値なし」を意味するのでなく、当ブログの評価軸に合っていないだけで、

「本作の醍醐味はここにはない」ということを承知いただければと思います。

(以下、ややネタバレにつき、見たい方はドラッグして下さい)

謎はフーダニットくらいしかありませんが、決定的な手掛かりは一切なく、アンフェアです。

その点も本書が謎を解くミステリーでなく、展開を追うサスペンスと位置付ける理由です。

 

人物描写(キャラクターの魅力、共感)

辛口ですが、私は駄目でした。

はっきり言って、主人公である桐野に一切共感できません。

恋人は放置、病気の母親すら放置、そのくせ仕事では異常にリスクを取りたがる。人間的にヤバい。

 

極めつけは、マルウェアをばら撒くサイトを開いた恋人に対し、専門家のはずの桐野がかけた一言。

 

「くれぐれも気を付けて」

 

いや、なんかアドバイスしろや。せめて「落ち着いて」とかさ…。

 

恋人もかなりお花畑な頭なのですが、紙面が足りないのでここまでで。

 

あ、前回登場したあの人が再登板しますよ。

 

文章表現力

相変わらず、すっと読ませるスピード感はありました。

ただ、前作と変わっていないという印象があります。

出版が時期尚早だと思います。

 

プロット(ストーリーライン)

ネタバレ注意↓(見たい方はドラッグして下さい)

多分、筆者は『羊たちの沈黙』をやりたかったんだと思います。

サイバー世界の展開は、知識に基づき地に足がついている感じですが、

前回と変わらずリアルパートがとってつけた展開になっているのが残念。

しかも今回は前作のような大きな伏線がないに等しいですし…。

 

感想

辛口ですが、もう少しじっくり練ってほしかった。まぁ流行ってるうちに出したかったんでしょうが。

ミステリーという枠を外しても、粗が目立つ内容で正直残念でした。

 

本当は記事を書くか相当迷ったのですが、

レビューを書いているサイトがあまり見当たらなかったので、第一陣として筆を執りました。

(私個人の感想であり、ネガティブ・キャンペーンの意図は一切ありません)

 

筆者のサイバー世界の知識は際立っていることが再確認できたのは収穫。

いっそサスペンス要素を排して、サイバー世界に特化し、

正義のホワイトハッカーを主人公にする作品を書けばいいのでは?と思います。

『クロサギ』みたいな感じですね(もう書いてたらごめんなさい)。

 

前回の記事で、次回作に期待したからこその評価でした。

 

 〈前作の記事です〉

 

今回はここで切り上げておきます。

 

本日はここまでです。

お読みいただきありがとうございました。

ではではまた~。