こんばんはー。
本日はこの本でいきます。
以前、『日本再興戦略』を読んだのですが、落合氏のキレは尋常でないですよね。
同年代として畏怖の念を抱きます。
ともかく、最近の日本の将来像を描く本として独自性があるのは、
東京オリンピック『以降』に視座を置いているところですね。期待。
ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法
- 作者: 落合陽一,猪瀬直樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/10/31
- メディア: 単行本
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まとめると…
- テクノロジーは脅威でなく救世主。恐怖心を拭い去れ!
- 画一的・官僚的であることから解き放たれ、多様性を尊重しよう
- これからの時代に必要なのは歴史感・論理力・文理問わない教養
テクノロジーは社会問題を解決する
昨今、AI化等テクノロジーの脅威が叫ばれていますが、
本書ではむしろ社会問題への解決策として位置づけられています。
(例えば、過疎地の医療サービス不足は、救急ヘリや機械による遠隔操作で解決)
また、筆者が提唱する、政治と技術の融合を図るポリテック(Politics+Technique)概念は、
今までの政治・技術分野が単独で解決しえなかった問題に対し、
両者が融合・相互作用しながら挑んでいくという多角的な解決策として効果が期待されます。
これにはまず、人々がテクノロジーへの恐怖心を払しょくし、受け入れることが肝要となります。
日本人が縛られる枠組み
高度経済成長期以降、日本人は画一的な教育・「普通」感覚を植え付けるマスメディアにより、
共通の心象風景を作り上げてきました。
また、前例踏襲的で、複数部署を横断的な取り組みを苦手とする官僚的な性格を強めてきました。
今後は多様性を許容し、育てていくことが必要になります。
それについて述べた文を引用しておきます。
イメージは多様でいいはずなのに、マスメディアを介して広がっていった価値観のなかでしかとらえられなくなっている。(p110 落合)
「普通」であることは、研究やイノベーションアートの世界では価値をもっていません。(p111 落合)
今後、日本人が作り出し、打ち出すべきものは、
西欧に倣うものでなく、伝統とテクノロジー(モダン)を融合させた独自の魅力と提唱されています。
(丸の内は、「皇居」と「ビジネス街」といった両者が共存する世界にも希少な空間)
これからの時代に必要なもの
正確さは今後AIが代替してくれるため、人間は創造力・論理力で勝負することが鍵です。
今後は以下のスキルが必要になります。
- 歴史・統計データを知ること ー 批判的・建設的に考える糧となる。
- 論理的な日本語力を身につけること ー 言語化は最大の思考ツール
- 時代に適合した文理不問の教養を身につけること ー リベラル&テクニカルアーツ
感想
やはりキレキレでした。
結論はさほど画期的な話ではないのですが、それに至る過程が洗練されていました。
個人的に印象に残ったのは、
「東京と地方は全く別の課題を抱えているこれを実感したうえで問題を発見・設定せよ」
という観点でしょうか。
これは実感があります。
私は関東圏で育ったのですが、大学では日本各地から学生が集まります。
彼らの視点は東京生活が長い私からすると非常に印象深いものでした。
車の生活不可分性、下妻物語的な大規模ショッピングモールのワンダーランド性など…。
こういった地方感覚のなさは、私の視点が凝り固まったものであることを示すともに、
大学生活でコンプレックスになっていたところでした。
幸い社会人で地方勤務を経験し、実体験をすることができました。
これにより、価値観は大きく広がり、私の人格を形成する大きな要素になったと思います。
さて、ポリティクス×テクニックのポリテックはなかなかいい考えですね。
いわゆるコラボってやつですね。
これにより、今まで取りこぼした領域にも踏み出しやすいですね。
さて、こういうコラボ、『××テック』が身近にないか見ていきましょう。
これは多摩×テック。
よく行きました。
これは、岡崎体育×てっくん。
これは、韓国×大邱(テグ)。
…かなり苦しくなってきたので、この辺で逃げます。
本日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。
ではではまた明日~。