Tommyの乱読のススメ

ノンジャンル読書と雑記の混沌としたブログです。

【英才教育すべきは共同体感覚】生きる意味/アルフレッド・アドラー

こんばんは~。

 

今回はこの本です。

以前読んだ『嫌われる勇気』の記憶が薄れそうだったので、

記憶の上書きとともに新たな知識の定着も狙う。 

生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと

生きる意味―人生にとっていちばん大切なこと

  • 作者: アルフレッド・アドラー,長谷川早苗
  • 出版社/メーカー: 興陽館
  • 発売日: 2018/11/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まとめると…

  • 課題は人間関係の中で生まれる。解決策は幼少時から身につけるべき共同体感覚
  • 自身のライフスタイルと共同体感覚のズレがコンプレックスをもたらす
  • 共同体感覚の樹立こそが人類全体の幸福であり、究極の生きる意味

 

 

人類の課題に立ち向かうには?

まず、ものの見方で人の行動は決まることを認識することが肝要です。

人の行動は、子ども時代に形成される行動原理に基づいたライフスタイルに沿ってなされます。

人間の避けられない課題である、社会・仕事・愛は人間関係の中で生じるものですが、

この課題解決には共通の感覚であるコモンセンス、共同体感覚を身につけることが鍵になります。

 

コンプレックスはどう形成される?

行動は、劣等感からの克服と他人(共同体)への貢献という観点から解釈されます。

前者の劣等感が過剰に作用することが共同体感覚からの逃避(劣等コンプレックス)や

感情・活動の過度の誇示(優越コンプレックス)という反応を引き起こします。

この反応は、自身の持つライフスタイルを絶対視し、コモンセンスによりこれが侵されると、

外部刺激に対し、後退や攻撃をすることで虚栄心を保つという文脈でなされます。

 

子どもをどう教育するか?

子どもは概ね生後3-5年で、子どもの中に行動原理が成り立ち、ライフスタイルが形成されます。

子どもは、常に課題の克服と未来の創造を行っているもので、

その生育の方向性は繋がっている共同体感覚に大きく依存します。

具体的には、母親と繋がる感覚により、共同体感覚の大部分を得ることができます。

(父親でも可、祖父母は不可)

 

生きる意味とは?

成長の完全目標や永遠にふさわしい共同体感覚の樹立こそが人類全体の幸福であり、

生きる目標と言えます。

本書では、個人や集団の動きは永遠化する価値、

人類全体の発展に向けた価値を作るときだけ価値があるとみなされるとしています。

そうでなければ「なにも残さず消えた」ことになります。

 

感想

『嫌われる勇気』と書いてあることは一緒なのですが、随分とテイストが違います。

フロイトへの攻撃的な論調と、生きる意味は「共同体への貢献」のみだ、とするなど、

結構過激な印象を受けました。

これをオブラートに包んで現代向けにしたのが、『嫌われる勇気』と思います。

本書は、そちらでエッセンスを学び、さらに掘り下げたい人向けと思います。

(ちなみに、『嫌われる勇気』にあった「課題の分離」の議論はなかったと思います)

 

あと、年頃の子どもがある身として気になるのは以下。

 

具体的には、母親と繋がる感覚により、共同体感覚の大部分を得ることができます。

(父親でも可、祖父母は不可)

 

なんで祖父母がダメなのかは論拠が示されていませんが、これが正しいとして、

両親が働く世代の現代人は、子どもの生育を祖父母に任せる機会も多いと思います。

でも、それだと共同体感覚は形成されない、となってしまい、

現代人個々人の精神の脆弱さは避けられないものになってしまいます。

「だから現代人の精神病理が目下問題なんだろ?」という主張になるのかもしれませんが、

「原因はわかった。ではどうすればよい?」という問いには本書は答えてくれません。

 

アドラーの生きた時代と現代、ここには大きな違いがあります。

彼の理論の大本はまだ生きている部分はあると思いますが、

これを現代風にアレンジしなおした理論に出会える日を楽しみにしています。

 

あ、私はフロイトとかユングに比べるとアドラーの方が好きです。

彼は従来の実験的な心理アプローチではなく、心の豊かさとか哲学的なアプローチなので。

あとほら、DaiGoも人間関係においては役立つとお勧めしていましたしね。

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なんか違うような…。

…まぁ、こっちのDAIGOも人間関係良好だと思いますよ。

じいちゃんの威厳と資金力をカサにして…。

 

本日はここまでです。

お読みいただきありがとうございました。

ではではまた明日~。