こんばんは~。
本日はこの本です。
これからの時代、顧客に寄り添うべきなのは分かった。
では具体的には?ともやもやしていましたので、
一つのモデルを提示してくれるだろうと期待。
サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル
- 作者: ティエン・ツォ,ゲイブ・ワイザート,桑野順一郎,御立英史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/10/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まとめると…
- 人々のニーズが所有から利用になるにつれ、売るものは製品からサービスへ。
- 売って終わりでなく、顧客と繋がり対話していくことがサブスクリプション
- サブスクリプションモデルにおいて、収益は過去ではなく未来を見通すべきもの
所有から利用の時代へ
これからの時代の顧客のニーズは、それを持つということではなく、もたらされる機能にあります。
よって、「所有」のわずらわしさから、スマートに目的を果たせる「利用」に関心が移りつつあります。
顧客一人一人が異なる顔を持っていることを認識すべきで、
「売って終わり」という、セラー→バイヤーの一方通行のモデルでは持続性がありません。
サブスクリプションモデルとは?
これを突き詰めたのがサブスクリプションモデルです。
顧客と繋がり、対話し続けることで、
常に顧客のニーズをくみ上げながら製品の改良を繰り返し、提供し続ける持続性があるモデルです。
(両者を「ハードゲーム機」と「基本料がかかるオンラインネットゲーム」とすると分かりやすい)
大きな収益を得るという点では、一度に商品代がどーんと入る従来の製品型に敵いませんが、
サブスクリプションモデルには長期安定的な収益が見込まれるという長所があります。
また、顧客に繋がっているため、直接の声をくみ上げる市場調査の機能も内含していることも魅力です。
サブスクリプションの損益を評価する
損益計算書は過去の財務実績を表すもので、将来のビジョンを映し出すものではありませんでした。
そのため、損益計算書上は従来の製品型のビジネスモデルの方が優れて見えますが、
それはサブスクリプションモデルの長所を映し出すことに繋がりません。
財務部門(もちろん他の部門も)も顧客と繋がることの重要性を認識し、
目先の利益にとらわれず、利益を将来のために使うことの有益性を共有する必要があります。
長期的に視れば、収益の持続性や顧客をつかむという効果では、サブスクリプション型に優位性があります。
感想
正直に言うと、13章の『ファイナンス』の議論がなければ、酷評してしました。
退屈な例示、冗長さ、目新しさのなさ、読みにくい文章(カタカナ語が多い!)と
いいとこなしで250ページまで行きました。
ただ、13章のファイナンスの部分は読む価値はあるかと思います。
『ファイナンス思考』の議論に通じます。この本は、
「いま」しか見ないP/L脳になるのでなく、将来への投資という観点で評価すべき、
という内容であったと記憶してますが、
『ファイナンス思考』の議論は、「そうなんだけど、理論先行で実践がない」と思っていました。
ただ、本書は、この内容について筆者が実際に経営陣を説得した経験に基づいて語られており、
『ファイナンス思考』で埋められなかった実践部分を補う内容と思います。
(よく見たら同じダイヤモンド社ですね。意図的?)
総評としては、内容自体はもう少し縮めてまとめられる内容かと思いますが、
新興企業の成功例はふんだんに盛り込まれておりますし、
そういったビジネスモデルに関心のある方には、得るものはあると思います。
今日は寝不足なのでこの辺で引き揚げます。
(超真面目でしたね…こんな日もあるさ…)
本日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。
ではではまた~。