私の好きなミステリーの感想も書いていきたいと思う。
前回は新書だったのに、今回はこれか。
ジャンルに節操がないが、私の趣味は乱読。こういう読み方でセレンディピティでも生まれればこれ幸い、、、。
さて、ミステリーの書評は結構難しい。
核心に迫ってしまえばネタバレになるし、ただ、肝に何も触れないと言うのもレビューの意味がない。
今後、どのようにレビューしていくかは走りながら考えたいが、ここではH・R・F・キーティングの採点方法を参考に、
謎(トリック、伏線、独自性)
人物描写(キャラクターの魅力、共感)
文章表現力
プロット(ストーリーライン)
の観点からレビューしていきたい(満点は★5)。
謎(トリック、伏線、独自性) ★4
自分にとって島田荘司の作品は占星術殺人事件に続き2作目だが、彼の作品の魅力はトリックにあると思います。
前作の仕掛けも衝撃的であったが、今作も非常に大掛かり。そこまでするのか、、、。絶対もっと簡単に殺す方法あっただろ、、、。
ちょっと現実的じゃないという意見もあると思いますが、この大味さが魅力と思うので、好評価。
人物描写(キャラクターの魅力、共感)★2
人物が多い割に、一人一人の掘り下げが浅く、意味をなさない人物もいて、人物の魅力に欠けるかなぁ。
本作は主人公である御手洗が強烈なキャラクターなため、そこに全振りしているといえるが、容疑者がイマイチだと、犯人がわかったときの衝撃が薄れてしまうという意味で、少し低めの評価に。
文章表現力 ★2
前作でも感じたが、状況説明が「読まされてる感」が強く、頭に入ってこない。
トリックが魅力的なのに、勿体無い、、、。
プロット(ストーリーライン)★2
ストーリーに破綻はないが、後半の展開は取って付けたような印象を受けたのが残念。
どんでん返しというよりも、ドタバタしていたという印象。
いろんなサイトを見ても、あまり触れられていなかった本作、前作に比べて大人しめかなぁという印象を受けました。
なお、次作の異邦の騎士が評価が高い様なので、近々読みたいと思います。
追伸
建築好きの私からすると、フェルディナン・シュヴァルの理想宮が冒頭触れられていたのは、ニヤニヤものでした。
その一節があったから本作を手に取ったようなもの。