こんばんは~。
一昨日・昨日と体調不良で遂に連続更新を途絶えさせてしまいました…。
まぁ形あるものいつかは終わる…切り替えていきましょう!
今日はこの本。
だいぶ前に国家の品格 (新潮新書)を読んだのですが、内容忘れた復習のために。
まとめると…
- 教養の欠如は、物事を批判的にみる力を奪う
- 教養は一部の人に寡占されたり、実生活から乖離してしまうと効力を発揮しない
- 各市民が(主に読書から)人文・社会・科学・大衆文化を蓄積することが重要
教養はなぜ必要なのか?
日本はバブル崩壊後に大改革の名のものに規制緩和など多様な政策を進めてきましたが、
それらの政策は、地方衰退や国内産業空洞化などを推し進め、日本人の情緒の荒廃を招きました。
これらの黒幕にはアメリカ式のグローバルスタンダードの押し付けがありますが、
これをなぜ多くの人が最中に気づけなかったのでしょうか?
その理由に教養の欠如があります。
教養の定着は、氾濫する方法から取捨選択し、本質をつかむ嗅覚を磨くことに繋がります。
なぜ教養主義が衰退したのか?
市民全員が主権者である民主主義においては、一人ひとりが教養を持つことが必須ですが、
それなのに、なぜ教養主義が衰退したのでしょうか?
大きくは以下の価値観と歴史的事実に集約されます。
- 科学技術などの進歩を背景に、実学こそが必要という価値観が強まった。
- アメリカの台頭により、功利主義が優勢になった。
- グローバリズムの高まりにより、強欲が道徳を上回った。
- 教養は世界大戦を防ぐことができなかったという歴史的事実。
教養の在り方
ドイツ
19世紀、ヨーロッパにおいても教養で最先端にいたドイツは、
指導層である1%の教養市民層と99%の大衆という構図にありました。
しかし、その構図は、産業化と大衆社会の台頭・科学技術の発展などにより教養層の地位が低下します。
そのため、教養層は産業革命により失われた人間性などを取り戻す手法として
フェルキッシュ(民族主義)に走ることになり、これがヒットラーという指導者を生み出します。
これは、教養がごく一部の人に寡占されてしまい、一般民衆の批判力に繋がらなかったこと故の悲劇と言えます。
日本
明治維新後、日本は欧米に追い付け追い越せが目下の目標であり、教養どころではありませんでした。
それでも、幕末から活躍した偉人たちは西欧文化の前に漢籍や武士道という下地がありました。
しかし、明治後期から漢籍や武士道なしに西欧の文学・哲学偏重の教育が進んだ結果、
政治的な教義・思想のない、頭でっかちな教養層が増えてしまいました。
筆者は、彼らを西洋への憧憬に流されるあまり、
基盤を持たずに流行りの思潮に常に圧倒される「根無し草」と表しています。
国家と教養
前述の反省に陥らないようにするには、諸現象の本質を見抜くには知識・情緒に根差す物差しが必要です。
それを身につける方法は、教養を蓄積すること、そしてその近道は読書です。
具体的な教養の中身は、人文・社会・科学・大衆文化の4本柱ですが、
ここで重要なのが、大衆文化が担当する「情や美の感覚」であり、
非論理的な価値観を身につけることの重要性を主張します。
というのも、論理・合理性は状況や立場が変わればいくらでも取り繕うことができ、
論理偏重になることに危険性があると説きます。
筆者がその立ち回り方を評価している英国は、その罠に陥らないよう、
個別現象に向き合うバランス感覚・ユーモアを持ち合わせており、その感覚は重視されるべきと説きます。
まとめ
そういえば前著もそんな内容だったような…と思い出させる内容でした。
もうこのブログをご覧の皆さんには耳タコな話ですが、
「教養は広く(浅く)」ということですね。
ただ、「うんうん」と言って終わるのも面白くないのであえて異を唱えてみましょう。
バランス感覚って個人戦だと重要ですが、チーム戦だと話が変わってくるような気がします。
全員がバランス型よりも、各自別分野の特化型でばらけさせた方が、
チームの地力って大きくなるのではないかなぁと思います。
ドラクエⅡのパーティを見てもそうですよね。
ローレシアの王子:脳筋
サマルトリアの王子:バランス型
ムーンブルクの王女:魔法使い
やった人はわかると思うのですが、
サマルトリアの王子はパーティ内の役割を持てずに終わってしまいます。
こういう集団戦になるとバランス型は霞んでしまうんですよね。
(大先生の著作にゲームの視点から批判するヤツ…)
ただ、特化型の集団は、どのように束ねるかが問題となりますので、チームマネジメントが難しいというのも分かります。
それならば、教養という共通言語でつながった集団の方が、意を同じくしやすいかもしれませんね。
爆発力の特化型か、安定のバランス型か…この辺は色々と議論のし甲斐がありそうです。
本日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。
ではではまた~。