こんばんは~。
本日はこの本。
構想に15年かかったということなので、大作と期待して手に取りました。
アガサ・クリスティ作品が好きなので、その辺のオマージュも期待。
実は本ブログ初の上下巻作品です。
これは2冊に数えますか?…悩みましたが1冊カウントで!
まとめると…
- アガサ・クリスティリスペクトのミステリーフェチ用小説
- 下巻を読んだ瞬間、不安になる構成
- 展開自体は王道
あらすじ
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは…。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は―。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ! (上巻)
名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読んだ編集者のわたしは、あまりのことに激怒する。ミステリを読んでいて、こんなに腹立たしいことってある?原因を突きとめられず、さらに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想もしない事態だった―。ミステリ界のトップランナーが贈る、全ミステリファンへの最高のプレゼント! (下巻)
謎(トリック、伏線、独自性)
謎はフーダニットとホワイダニットだけですので、
仰天ミステリーを求めている人には物足りないと思います。
独自性は、小説そのものの構成にありますが、それはストーリーのネタバレ箇所にて。
人物描写(キャラクターの魅力、共感)
結構な人物が出てきますが、そこそこ厚い本だけあって、人物描写に割いている分量は多め。
そのため、馴染みない外人名であっても、人物の区分けは容易。
登場人物のほとんどが推理小説のオマージュなので、その辺を拾い読みしても楽しめるかもしれません。
(私は半分もわかりませんでしたが…)
逆に言うと、登場人物の癖はあまりないので、
そういうオマージュにニヤニヤできない人にはやや退屈かもしれません。
プロット(ストーリーライン)
ここからはネタバレ注意で行きますが、一言だけ。
上巻を読んだ後、下巻の1ページ目をめくった瞬間、「あれ?」となります。
間違えた本買ったかと思ったよ…。
さて、以下ネタバレ注意で書きます ↓↓
上巻は作中作、下巻は現実世界でその著者を襲った事件の謎解きという2つの構成で進みます。
作中作と現実の2つの次元で動くのは、
綾辻行人の『迷路館の殺人』を思わせるなと思いつつ下巻を読み進めました。
上巻は謎解き、下巻はまた別の謎解き(アナグラム解析が主)なのですが、
上下巻の謎は交わることがなく、ただ上下2つの独立した謎解きを並べられているだけという印象。
(アナグラムは下巻の動機にはつながっていますが、本筋ではない)
そのため、上下巻である特性をあまり活かし切れていません。
感想
ということで、15年構想した割には平凡な作品だったなという印象でした。
作中、犯人予想に結構な紙面を割いているのですが、
実際の犯人は意外性のない人物でしたし、動機も結果的には平凡でした。
上下巻700ページの分量であり、その労をして読むほどの作品かと言えば、私はあまり推しません。
ただ、上巻の舞台装置はなかなかよかったですよ。
偏屈な村落、村の名士を巡る事件、皮肉屋な私立探偵
と私の好物な構成であったのは事実。
読み進めるのにあたっては苦は感じませんでした。
ちょっと辛口気味のミステリーレビューが続いていますが、
最近イマイチ満足できていないので、おすすめ作品があればどなたか教えて!
さて、タイトルにあるカササギはどんな鳥なんでしょう?
七夕のときに織姫と彦星に架け橋をつくる伝説の鳥として語られています。
ほう…つまり…
こんな感じでしょうか?
では見てみましょう…。
…なんともいじりづらいフォルム…。
…ん?
ピカ…ピカ…だと…。
結論
カササギ=ピカチュウ
本日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。
ではまた明日~。