Tommyの乱読のススメ

ノンジャンル読書と雑記の混沌としたブログです。

【一意専心vs臨機応変】スッキリ中国論/田中信彦

こんばんは~。

 

今日は「いい夫婦の日」かと思ったら、

twitter上では「いいツインテールの日」というワードがバズってました。

イマイチTwitterと価値観が合いませんね。

 

釈然としませんがいいでしょう…今日はツインテールを崇め奉りましょう。

 

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ツインテール『帰ってきたウルトラマン』

おら、どうだ満足か…。

(やさぐれ気味)

 

さて、本日はこの本。

今後無視できなくなってくるチャイナパワー。

その力の源流に迫っておくのも一興と思いましたので、この辺で触れておきます。

 

スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

 

 

 

まとめると…

  • あるべき姿が前提の日本人に対し、中国人は功利的に影響度で判断する
  • 「一意専心」の日本人と「臨機応変」な中国人
  • 中国人には進むべき道が共有されている。今後価値観の多様化は芽生えるか?

 

 

「スジ」で考える日本人、「量」で考える中国人

日本人は「こうすべき」というべき論で物事を語りますが、中国人は現実的な影響度合いで考えます。

例えば、窃盗などの違法行為(軽犯罪)を即犯罪とみなすのはスジ論的で、

被害がたかが知れているものは犯罪と扱われないとするのが量的な考えです。

 

長所/短所は以下のとおり。

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一意専心と臨機応変

日本人と中国人の仕事の仕方は、「一意専心」と「臨機応変」といった違いがあります。

日本人は、組織貢献という旗印の下、仕組みを作ることが得意ですが、

中国人は「自己評価」が高く、自分に力があることをアピールしたがる傾向にあり、

仕組化とは沿わない傾向にあります。

これは「自律できる人間は立派である。それを決めるのは外部でなく自分自身」

とする中国人が持つ儒教的な価値観が背景にあります。

 

また、中国人の仕事のマインドとして、一つの組織に留まることは、

変化に身を置かないリスクと捉え、短いスパンで転職を繰り返す傾向にあります。

一つの組織への終身雇用を安定と捉えて留まる日本とはリスク意識が対極です。

環境の急激な変化には「臨機応変」型の中国人の方が「一意専心」型の日本人よりも適しています。

事例として、中国で急激に進んだスマホやSNSツールの適用は、

いまや日本よりもはるかに進んでいると言えます(変化に寛容な中国では馴染みやすかった)。

ただし、「臨機応変」型には知識や技術の蓄積がされず、産業の成熟がなされない弊害もあります。

 

画一的な価値観

規範の影響力が弱い中国では、個々人の絶対的な力である面子(メンツ)が重要視されます。

その「誰よりも優れている」というプライドは全国民に共有されており、

富めること・優れていることという価値観が画一的なものになってしまっています。

誰もが目指そうとする道が同じになった結果、超絶な競争、社会に疲弊感を生んでしまっています。

多様な幸福感というものが、どのように中国社会に浸透orせめぎあうのか注目されます。

 

感想

多分、筆者は「日本人・中国人をステレオタイプに押し込んでいる」

という批判を承知で書いたんだろうなぁという印象を受けました。

もちろん、これに当てはまらない中国人もいます(当然日本人も)。

ただ、中国人の多くが持っているマインドを知っておいてほしいという思いで書いたことが伝わります。

私は「経験は雄弁」と思っているので、筆者の経験に基づく見解は説得力を持っていると思います。

「スジ」と「量」、どっちが正しいのかという答えはありませんが、

今後日本が進む道は、強みの「スジ」を活かし「量」偏重になるべきではない!と思います。

 

さて、「結局どう活かすんだ?」という点については、結論を急がないことです。

この本の知識をすぐにビジネスに活用しようと、取引相手に対し、

「あなたのことはよくわかる。こんなタイプだよね~」とひけらかすのは悪手です。

(私は過去に、某国の方にステレオタイプ的なことを言い、えらい目にあいました)

この知識は胸に抱いておき、自分の価値観と照らして「あれ?」と思ったときに立ち返る、

それだけで相手との距離の縮め方が変わってくると思います。

 

本日はここまでです。

お読みいただきありがとうございました。

ではまた明日~。

3連休、楽しみましょう♪