Tommyの乱読のススメ

ノンジャンル読書と雑記の混沌としたブログです。

君に友だちはいらない/瀧本哲史

 

君に友だちはいらない

君に友だちはいらない

 

こんばんは。

ようやく読書のリズムがつかめてきました。悪癖だったスマホいじりも減りました。

その甲斐あって本を読むスピードが昔に戻ってきたのかなぁと思います。

 

さて、本日の本ですが、そういえば最近ビジネス書を読んでないなぁと思ったので少し前の本ですが、こちらを。

 

 

現代社会を生き抜くには 

グローバル資本主義は「よりよいものをより安く」手に入れたい人間の欲望に基づくため何人も逃れ得ません。
人材もコモディティ化してしまうこの環境を乗り越えるためには「武器としてのチーム」を作り上げることが必要となります。
世の中を変えるためには世代交代が必要。そのためには新しい風が必要になりますが、それは一人で成し遂げるには難しく、ゲリラ的に活動できる少人数のチームであるべきとされます。

 

チームのあり方

よきチームの条件としてマッキンゼーが挙げている要素は、

  1. 少人数
  2. メンバーが補完的なスキルを有する
  3. 共通の目的と達成に対する責任を持つ
  4. 問題解決のためのアプローチを共有する
  5. メンバーの相互責任がある

の5点です。
チームが共有するビジョンは大きすぎるに越したことはなく、多くの人が共感できる普遍的なものがよいです。
チームの中で各人は、不確実な状況に直面しても自らはいかにして必要な仕事を見つけるかと常に問い、ミッションを共有するという当事者意識を持って主人公として行動することが求められます。
これからの時代、縁によって繋がれるゲマインシャフト的な組織の在り方でなく、目的達成のための社会集団であるゲゼルシャフト的な小さな組織としての在り方が求められてくるでしょう。

 

個々人はどう生きるべきか

友達の多さは強みではなく、それより少人数の仲間の質を追求することが肝要。
友達は自分を規定する鏡。周りに成功者がいれば自分にも投影できます。
何かを発見したいのであれば、まずは今明らかになっている知識を徹底して効率よく学ぶこと。
会社に入るのであれば、「見晴らしのよい」会社(同業他社の動向が見え、業界のルールや常識を把握できる)を選ぶべき。また、高い目標を課せられるリーズナブルな環境に身を置くことも重要。
イノベーションは多様性から生まれる。自身も教養を身につけ幅を広げるとともに、多様性のあるネットワークを築くことを意識しよう。

 

感想

本書と異なり、資本主義社会の終焉論を論ずる本も多く見られますが、どちらも「小さな組織」を志向する傾向にあるのは興味深いですね。「組織は小さくあるべき」という原理が時代を問わず普遍的なものであると感じさせられます。
ともかく、現代社会を生きるサバイバル書として、(筆者の成功体験が多分に盛り込まれていますが)信念を分かりやすく書いています。

「君に友だちはいらない」というタイトルは、「だが、少数精鋭の仲間をつくれ」というメッセージに繋がります。

 

本筋ではないですが、私が乱読をする理由について。
それは「横断的な教養を身につけたい」という意図があります。
本書にあるように、それによってイノベーションを起こしたいかというと、そこまでは考えは及んでいませんが、引き出しが多いということは人間性を豊かにすると思いますし、何より楽しいという自己中心的な理由に尽きます。
ただ、「あの話はここに繋がるなぁ」と思うことも多くあるので、こういう体験を積み重ねると、自分の知識がぐっと広がり、首を突っ込めるフィールドは広がるかもしれません。

 

最後に、一点、筆者の意見で賛同できないなぁと思うのは「相手に合わせて自分のラベルに張り替えよう」という点でしょうか。
「ラベルは自分を規定するものであり、相手によってアピールポイントは変わるわけだから、それに合わせて自己を表現するラベルを変えることが効果的」ということと解釈しました。
ただ、ラベルがそう簡単に張り替えられるものであれば、それが理想なのですが、人間、いくらジェネラリストだとしても得意分野など軸になる性格は持ち合わせているもの。
そのため、自分のラベルは軸に寄ったものになるのが自然かと思います。
それを相手によって別のものに張り替えてしまっても、それは自分を表すラベルと言えるのでしょうか?
ラベルの張り替えにはそうした自己一貫性の喪失がはらんでいるような気がします。

 

ということで、本日はこの辺で。

Enjoy Friday and holidays!

(ブログは三連休中も更新します)